皆様へ
 
いつも 「年寄りの独り言」をお読みいただきあり がとうございます。
 
秋も深まり、 もう来年の事が頭の中に出てくるようになりました。 
ちょっと前まであんなに暑い日々を過ごし、
逆流性食道炎に苦しんでいましたが、
はや、次年まで2ヶ月ほどとなりました。

この「年寄りの独り言」も、5月 からですから、もう半年が過ぎようとしております。
いつまで続くかなと思っておりましたが、
なんだかんだ、 話題はあるもので、
尽きること がありません 。
 
私がいままで読んできた日本の作家の中で、
何人 かが特に印象に残っています。
 
芥川龍之介
中島 敦
梶井基次郎
志賀直哉
川端康成
三島由紀夫
福永武彦
太宰 治

まあ、こんなと ころでしょう か?

今回は芥川龍之介です。

私は彼が好きで、特に高校時代に よく読みました。
好きなものですから全集を買いました。
昭和2年刊行の全集でした。

装丁が気にいったこと もありましたが、
その時代で5,000円ぐらい(今 から40年以上前になります)
神田の神保町の古本屋で購入しました。
(その時代、九段に住んでいたもので、都電で3-4駅先が神保町でした。
いや、高いの高くないの、もう目が飛び出るほどの高額でしたが、
無理して買いました。
いまでも、 もちろん大事にしています。
作品 も 何度も読みました。

下記にネット上のあるサイトにあった、
「芥川龍之介のおすすめランキング!面白い小説 10個をまとめてみた!」
これを添付します。

2020-10-26 10.51のイメージ



このなかの、
「杜子春」はそのなかでも良く読みましたね。
小学校の文化祭の劇で、
私は、 杜子春に出てくるやせた馬(杜子春両親の代わりとなるやせ馬の雄)の役でした。
ので、 特に読んだ記憶があります。
 
しかし、杜子春がわたくしのNo.1であるかというと、
わたくしにとってはNo.2なのです。
 
私のNo.1はこの別添のサイトではおすすめNo.8になっています
「トロ ッコ」 なのです。

 
これは、まず、小学校の教科書にこの一部が掲載されていて、
読んだときに、とても驚いたことを覚えています。
それが、まず印象的であったことと、
文体がとても素直で(子供用の読み物だったからですが)、
凝りがないこと、
ストレートな言い回しでも、
小説のストー リの緊張性をよく表現しているな、と、 思ったこと。
 
そして他の作品と違い、いつでも手元において、
何度読んでも飽きないという不思議な魅力を持っていること、
他の著名な芥川の作品群は、
きらめく文章で、 洋服でいえば、 タキシードを着ている感じでしょうか?
それに比べ「トロッコ」は薄手のセーターという感じで、・ ・・
 
私は、芥川は気軽なテーマ、文章のほうに本来の性格がにじみ出ているような気がしています。
芥川の 「なにげない不安」がセー ターの編み間から垣間見られるような気がしています。
 
これを書きながら、トロッコ掲載の文庫を1冊、
ポケットにいれておこうかなと、 思うようになりました。
(しばらくして購入しました)
あとの作品もみな大好きですが、
ポケットにいれて、ちょっとした折に見てみようというのは、
やはり、 「トロッコ」が一番だなあ、 と、 思っています。

またまた年寄りの独り言
ごー読ありがとうございました。


木内秀夫